介護が必要になるのは、身体的な理由もしくは認知症の場合がほとんどでしょう。中でも認知症は、常日頃から親の様子を、注意深く観察していないと気が付かない病気であるため、一人暮らしであれば知らぬ間に進行してしまいます。頻繁に訪問して、顔の表情や家の様子を確認することが大切になってきます。同じ話を何度も繰り返したり、整理整頓ができないようになってきたときは、早めに専門の医療機関で診てもらうことをお薦めします。初期の症状を見過ごしてしまうと、「隣の人が家の中の物を持って行った」とか「家に泥棒が入った」といって警察沙汰になってしまう可能性もあります。さらに問題なのは、水や火の消し忘れによって、親の家だけではなく、近所にも被害が広がる恐れがあります。

認知症の症状は人それぞれなので一概にはいえませんが、親の様子の変化に早めに気付くことが重要。少しの変化にも気付けるよう、日頃から自宅訪問や電話連絡などを通じてコミュニケーションを図るようにしたいものです。また、介護は一人で全部背負ってしまってはいけません。兄弟はもちろんのことですが、場合によっては、近所の人に事情を説明して協力をお願いしても良いのではないでしょうか。協力者は多いほど安心です。おそらく、親は自宅を離れたくない思いが強いはずです。一人暮らしでも、なるべく長く在宅介護を続けていけるように、手厚くサポートをして親孝行しましょう。そのためにも、面倒がらずに親とのコミュニケーションを続けていくことが非常に大切です。